スイッチングコストとは?スイッチングコストの意味を丁寧に解説

マーケティングの用語、スイッチングコストの意味を解説していきます。

スイッチングコストとは、現在利用している製品やサービスから
他社のの同じ様な製品やサービスに乗り換える場合に発生するコストのことです。

主にB to Bの用語として、企業が商品やサービスを乗り換える際に
使われていたマーケティングの用語でしたが、
最近では携帯電話会社の通信キャリアの変更や、
契約する保険会社を変更する際にかかる費用にも使われるようになりました。

スイッチングコストの他にも、
「乗り換えコスト」「スイッチング費用」と言われたりもします。

月額制のサービスなど、継続的な課金の仕組みがある商品やサービスを提供する企業は
このスイッチングコストをいかに高くするかによって、
顧客が自社商品やサービスを使い続けるかが決まるので、
スイッチングコストをいかに高くしていくかの戦略も重要になります。

経済的な面だけでなく、「面倒くさい」というリスクも含めて
スイッチングコストといいます。

スイッチングコストは費用や経費など経済的な面だけでなく、心理的負担や手間も含む

スイッチングコストは顧客が現在利用している商品やサービスを別会社の商品・サービスに
乗り換える際に負担しなければならない経済的、心理的、手間を含めてコストを指します。

そのため、経費などの経済的なコストのことだけを指す言葉ではないのです。

たとえば、ある顧客が現在利用しているソフトウェアを
他の会社の提供しているソフトウェアに乗り換える場合のスイッチングコストは、

スイッチングコスト1:金銭的コスト(買い換え、乗り換えにかかる費用)

スイッチングコスト2:手間コスト(ソフトウェアの操作の違いになれるまでの時間と労力)

スイッチングコスト3:心理的コスト(新しいソフトの使い方を1から学び直すことへのストレスやプレッシャー)

これらのスイッチングコストが発生することが考えられます。

そのため、一般的に顧客が商品やサービスを乗り換える場合には、
直接的な利益やメリットだけではなく、スイッチングコストの影響を受けて、
商品やサービスの購買を判断することになります。

ある商品やサービスの買い換え、乗り換えについての提案を顧客にする場合には
顧客のスイッチングコストについてしっかりと理解し、
スイッチングコストを低く抑えることが購買動機を高め、
成約へとつながる有効なマーケティング施策となります。

スイッチングコストを利用したマーケティングの施策

たとえ新しい商品やサービスが現在の商品・サービスよりも性能が高く、
価格的にも魅力的だったとしても、
導入にかかる手間や時間、習熟のための労力を含めたスイッチングコストが高くなれば、
顧客は簡単には乗り換えをするという判断には至りません。

そのため、スイッチングコストを考えた場合のマーケティング戦略があります。

現在顧客が利用している商品やサービスを提供している企業は
スイッチングコストができるだけ高くなるように設定をすること。

そして、逆に商品やサービスの乗り換えを他社の顧客に売り込む側の企業は
スイッチングコストをできる限り低く設定すること。

これらのスイッチングコストに焦点を当てた戦略が、
商品・サービスを顧客が現在利用している企業、売り込む企業、
それぞれのマーケティング戦略で有効になると言われています。

スイッチングコストを利用したマーケティングの具体例:携帯電話会社

たとえば、このようなスイッチングコストを利用したマーケティング戦略をとっている企業に、
携帯電話の通信キャリアの会社があります。

退会時に違約金などの費用を設定することによって退会時の費用・コストを高額にし、
逆に自社のサービスを継続的に使えば使うほどお得になる価格設定をしています。

このように、自社商品の既存ユーザーに対して、
他社の商品に乗り換えられないようにするため、
スイッチングコストをできるだけ高くする戦略がとられます。

また、携帯電話の通信キャリアの会社では、
他社製品のユーザーに対して、自社製品への乗り換えを促すための戦略として
スイッチングコストをできるだけ低くする戦略もとられています。

携帯電話の購入費用を乗り換えでの加入者向けに安くしたり、
新規加入者の費用を安くしたりして、経済的なスイッチングコストを低くしています。

他にも、乗り換えた後でも同じ携帯電話の番号が使えるようにしたり
操作方法を簡単にすることによって、
手間のスイッチングコストや心理的なスイッチングコストも下げています。

このように、商品を購入するユーザーの動機を考えることで、
スイッチングコストを利用したマーケティングの戦略を利用することができます。

既に顧客を抱えている場合にも、
他社の商品やサービスから顧客を獲得する場合にも
スイッチングコストを利用したマーケティングの戦略は有効になります。

以上が、マーケティングの用語、スイッチングコストの意味になります。

ぜひ、ご参考にしてください。

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