マーケティングの用語、クリック&モルタルの意味を解説していきます。
クリック&モルタルとは、
インターネット・オンラインのサービスと
実店舗両方でサービスを展開していくビジネスを指します。
クリック&モルタルのビジネス形態を取ることによって
インターネットの利便性と実店舗を融合・連動させた
ビジネスを実現することができます。
クリック&モルタルはオンライン専門の企業に対抗するためのビジネスモデル
クリック&モルタルはインターネットの利便性、
そして実店舗の流通などを融合・連動させたビジネスモデルです。
クリック&モルタルの「クリック」がインターネットや電子商取引を、
「モルタル」が実在する店舗、実店舗を表しています。
インターネット、そして実店舗を組み合わせた
流通システムや顧客アクセスの考え方のことを
クリック&モルタルと表します。
また、インターネットと実店舗の連動を活かし、
シナジー効果(相乗効果)を発揮できる企業のことを
クリック&モルタル型の企業と呼ぶことがあります。
たとえば、実店舗を展開していて
高い知名度やブランド力を持つ企業が
インターネット上に仮想店舗を立ち上げて
実店舗のブランド力を使ってビジネスを構築する場合、
クリック&モルタル型のビジネスと呼ぶことができます。
逆に、インターネット専業の企業が
実店舗に出店する場合にもクリック&モルタル型の
ビジネスモデルと呼ぶことができます。
このように、インターネットだけ、店舗だけでビジネスを展開する、
どちらかに特化するのではなく、
双方を組み合わせるのがクリック&モルタルという考え方・ビジネス戦略になります。
クリック&モルタルの由来は「ブリック&モルタル」
クリック&モルタルの言葉は「ブリック&モルタル」という
インターネットや電子商取引を使わない企業を表した言葉から派生しました。
ブリック&モルタルの「ブリック」にはレンガの意味があり、
「モルタル」には漆喰(しっくい)の意味があります。
つまり、レンガと漆喰を意味しています。
アメリカでは歴史や伝統のある企業、
インターネットや電子商取引を取り入れない企業を
このブリック&モルタルで表現していて、
それにかけてクリック&モルタルという言葉が使われるようになりました。
インターネット専業の企業からクリック&モルタル型が優位に変わっている
インターネットが急速な発展を続けていた数年前には
クリック&モルタルよりもインターネットを専業にする企業が
市場で優位に立てると考えられていました。
しかし、現在ではインターネットを専業にするよりも
クリック&モルタル型のビジネスを展開する方が
市場で優位に立てると考えられています。
2000年、1月末のアメリカ全体のインターネットショッピングの統計で、
インターネットを専業にしている「ピュアプレーヤー」と呼ばれる企業よりも、
クリック&モルタル型のビジネスを行っている企業の方が
1.3倍の受注を得ているというデータがあります。
日本においても、クリック&モルタル型のサービスの提供が広がっていて
今後、さらにクリック&モルタル型のビジネスやサービスが拡大すると
考えていくことができます。
クリック&モルタル型ビジネスの事例:セブン&アイのオムニ7
では、クリック&モルタル型のサービスの事例を1つ紹介します。
コンビニエンスストア最大手のセブンイレブンを展開する企業、
セブン&アイが展開するサービスのオムニ7があります。
オムニ7はインターネットショッピングのWebサイト・サービスですが、
注文した商品代金の支払いや、注文した商品の受け取りに、
同社が展開するコンビニエンスストア、セブンイレブンや
スーパーマーケットのイトーヨーカドーが利用できます。
いつでもどこでも注文することができ、
また、豊富な在庫を抱えることができるインターネットショッピングの利点、
そして全国に実店舗を抱えるセブン&アイの強み、
その両方を活かしたビジネスモデルになっています。
まとめ:クリック&モルタル型ビジネスが拡大している
日本でもクリック&モルタル型のビジネスモデルは拡大を続けています。
先述したセブン&アイのオムニ7以外にも
Amazon(アマゾン)や楽天といった
インターネットショッピングの大手でも
コンビニエンスストアと提携してのコンビニ受け取りを開始しています。
厳密には自社の店舗ではないので
クリック&モルタルということはできないかもしれませんが、
インターネットと実店舗を組み合わせるビジネスモデル、サービスは
様々な業界で主流になっています。
たとえばインターネットの普及によって利用が拡大している
「ネットスーパー」のサービスもクリック&モルタル型のサービスです。
これからはインターネット専業、つまり、ピュアプレーヤーの企業ではなく
クリック&モルタル型のビジネスをうまく構築し、
インターネット、実店舗、双方でビジネスを展開していく企業が
競争優位に立っていくと考えることができます。
以上が、マーケティングの用語、クリック&モルタルの意味になります。
ぜひ、参考にしてください。
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