マーケティングの用語、アーリーマジョリティ(Early Majority)の意味を解説していきます。
アメリカ、スタンフォード大学の社会学者、
エベレット・M・ロジャース教授が1962年にイノベーター理論という
消費者を商品の購入の早さの順に5つのグループに分類する理論を提唱しました。
イノベーター理論の5つの消費者のグループが、
新商品が発表された時に購入までのスピードが速い順に、
1:イノベーター
2:アーリーアダプター
3:アーリーマジョリティ
4:レイトマジョリティ
5:ラガード
このように5種類のグループに分類されます。
アーリーマジョリティとは、このグループ分類の3番目、
つまり、3番目に新商品を購入するグループのことになります。
新商品やサービスを購買、購入する際に、
2番目のアーリーアダプターはこれまでになかった価値や利便性を求め、重視しますが、
アーリーマジョリティの場合、実用性を重視する傾向があります。
アーリーマジョリティは5つのグループの分類の中では真ん中、平均的な位置ですが、
どちらかといえば比較的早い段階で新しい商品やサービスを受け入れるグループでもあります。
そして、アーリーマジョリティは市場全体の34%を占めているため、
この層、グループを獲得できるかどうかで
新商品や新サービスの成功がかかってくるとも考えられます。
アーリーマジョリティあh平均よりは早く新しい物事を取り入れる人々ですが、
全体的に見れば、比較的慎重なグループに分類されます。
2番目のグループ、アーリーアダプターと4番目のグループ、レイトマジョリティをつなぐ、
橋渡し的な位置づけでもあることから、ブリッジピープルと呼ばれることもあります。
アーリーマジョリティ(ブリッジピープル)に商品が浸透するかがカギ
新商品、サービスがリリースされれば、
最初に1番目のグループ、イノベーターが購入し、
それを経て、2番目のグループ、アーリーアダプターが購入するに至ります。
そして、2番目のアーリーアダプターが新商品を受容した後に
アーリーマジョリティ(ブリッジピープル)にまで新商品が浸透すれば、
アーリーマジョリティが次のレイトマジョリティへの橋渡しにもなりますので、
普及率は一気に伸びると言われています。
1番目のイノベーターとアーリーアダプターが市場全体に占める割合が16%とされているので、
新商品やサービスが成功するかどうかはこの16%を突破し、
アーリーマジョリティまで浸透させることができるかが境界線とされています。
そのため、この16%の境界線を「クリティカルマス」と呼ぶこともあります。
アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間の溝、「キャズム理論」
アーリーアダプターを重視する「クリティカルマス」の考え方に対して
アメリカのマーケティングコンサルタントのジェフリー・A・ムーアは
アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間にある大きな溝があるとして、
「キャズム理論」を説いています。
「キャズム理論」では、「クリティカルマス」がアーリーアダプターへの普及を重視するのに対し、
アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間の溝を超えて新商品、新サービスが普及しないと、
小規模なまま市場から消えていき、成功できないという考え方を説いています。
たとえば、「キャズム理論」の例には日本の電子書籍の例があります。
アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間のキャズムを突破できなかった日本の電子書籍
日本では、2010年を電子書籍が一般的になった年として電子書籍元年と呼んでいますが、
実は、1990年代にもSONY(ソニー)やNECが電子書籍専用端末を発売しています。
しかし、初年度こそ2万台以上などの売上を記録しましたが、
アーリーアダプターとアーリーマジョリティの溝、「キャズム」を超えられず、
2000年前には販売終了となります。
2004年に松下電器(現在のPanasonic・パナソニック)とソニーが再び電子書籍専用端末を発表しますが、
こちらもコンテンツの供給量、端末価格によって、
アーリーアダプターとアーリーマジョリティの溝、キャズムを突破できずに終わってしまいました。
市場全体の最も大きな割合を占めているアーリーマジョリティの影響力は大きい
イノベーターとアーリーアダプターに普及できるかどうかの壁、16%のクリティカルマスと同様に、
市場全体の最も大きな割合、34%を占めるアーリーマジョリティに浸透できるか、
「キャズム理論」のキャズムを突破できるかも新商品や新サービスの成功に非常に大きな影響があります。
新商品や新サービスの成功のためには、
イノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティ
レイトマジョリティ、ラガード
5つのグループの意味をしっかりと理解すること、そして、
「クリティカルマス」「キャズム理論」両方を突破できるかどうかのマーケティングが必要になります。
以上が、マーケティングの用語、アーリーマジョリティ(Early Majority)の意味、解説になります。
ぜひ、参考にしてください。
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