名寄せとは?名寄せの意味を丁寧に解説

マーケティングの用語、名寄せの意味を解説していきます。

名寄せとは、見込み客データベース内で
重複している同一人物の個人のデータや企業のデータを
ユニーク(一意)な状態にすること、つまり、
データを統合することを指すマーケティングの用語です。

または、データを統合する作業のことを指して
名寄せという言葉を使う場合もあります。

複数に分散されているデータベースで、
同一人物や同一企業、同一世帯がある場合、
それぞれに同じIDを1つ付与することによってデータを統合します。

たとえば、顧客としてのデータを識別する
「名前」「メールアドレス」「住所」「電話番号」など
個人や企業を識別する属性が一致した場合には
「同一顧客」と判断してデータを統合していくこと、
これが名寄せということになります。

同一人物の基礎データに統一された1つのIDを設け、
氏名、住所、メールアドレス、電話番号、生年月日など
個人を識別するための属性を調べることで同一人物を識別することができます。

この場合の名寄せは、

属性の入力状況を調査、入力方針を決定する(データ調査)

対象となるデータベースからデータを抽出し、さらにフォーマットを統一する(データ抽出)

数値のケタ数や入力形式の違いを統一する(クレンジング)

同一種類と識別できた情報に対して同じIDを付け、同一種類を特定する(マッチング)

この手順で名寄せを進めていくことになります。

名寄せはもともと金融業界で使われていた金融用語で、
同一の預金者の複数口座の預金額を合算することを指す言葉でした。

名寄せはデータの中から「同じ人」をまとめる作業

名寄せを簡単に言えば、
「複数の個人データの中から名前や電話番号などの情報を手がかりに
“同じ人”をまとめていく作業」
ということになります。

名寄せの例として、企業の吸収合併が起こった場合を例にしてみましょう。

たとえば、A社がライバル企業であるB社を吸収合併した場合、
A社がB社の顧客データを自社のデータベースに取り込もうと考えます。

しかし、同じ市場で競合していたA社とB社ですので、
A社、B社の顧客データのほとんどが重複しているために
そのままデータベースに追加することができません。

そこで、A社はB社の顧客データのうち、
自社に存在しない顧客のデータのみを取り込みたいと考えます。

ですが、A社、B社ともにそれぞれの顧客IDを採用しているため、
それぞれの顧客IDが異なるという自体が発生してしまいます。

たとえば、A社の顧客IDで20番目の顧客は、
B社の顧客IDでは60番目の顧客である、
このような仕様があるために、
A社の顧客IDとB社の顧客IDを照らし合わせただけでは
A社にとって取り込みたい顧客が見つからないことになってしまいます。

ここで必要になるのが名寄せの作業です。

B社の顧客ID30はA社のID47と一致していた

B社の顧客ID72はA社の顧客IDのデータには存在しなかった

このように、同じ顧客の一致を見つけ、
人間をまとめていく名寄せの作業が必要になるのです。

完璧な名寄せ作業は不可能

名寄せ作業は非常に大変な作業になりますし、
また、どんなに念入りな名寄せをしても「完璧な名寄せ」は不可能と言われています。

同姓同名の人は数え切れないくらい存在しますし、
また、転勤など、生活や仕事のスタイルによって
住所が頻繁に変わっている人も大勢います。

実際に、2007頃から問題になっている「年金問題」の原因も、
この「名寄せ」の難しさが原因の一端のになっています。

名寄せの判定として利用される一般的なキー

名寄せ作業にはデータに含まれる項目を「キー」として使用し、
同一人物の判定に利用します。

一般的に名寄せ判定のキーとして使われるのは、
以下のキーが一般的になっています。

名寄せのキー1:氏名

名寄せのキー2:ふりがな

名寄せのキー3:生年月日

名寄せのキー4:性別

名寄せのキー5:住所

名寄せのキー6:自宅電話番号

名寄せのキー7:携帯電話番号

名寄せのキー8:emailアドレス

キーを使った名寄せ作業を困難にする表記揺れ問題とは

これらの名寄せのキーを利用して名寄せ作業をする場合、
「表記揺れ問題」が名寄せ作業を困難にしてしまいます。

たとえば、名寄せのキー1:氏名の場合、
「高島さん」「髙島さん」この2つの苗字は違うデータですが、
一昔前のシステムでは、「髙」という時は
システムエラーを起こすことが多かった文字です。

他にも、名寄せのキー5:住所でも、
「1丁目2番地3号」と「1-2-3」と、
省略されて表記されたり、表記揺れが起こりやすくなり、
名寄せの作業を困難にしてしまう原因になります。

このように、たとえシステムが発展した現代でも
表記揺れ問題などにより、名寄せ作業は非常に困難になっています。

いかに効率的に名寄せができるシステムを作っていけるか、
それが今後のマーケティングやデータ管理を効率化するために
必要な課題となっていくでしょう。

以上が、マーケティングの用語、名寄せの意味になります。

ぜひ、参考にしてください。

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