マーケティングの用語、ABC分析の意味を解説していきます。
ABC分析とはランク分けをして、
そのランクに応じて取るべき手法を選択するための
データ分析の手法です。
ランク分けの際には物事の重要度においてランク分けを行うので、
ABC分析は重点分析とも呼ばれるデータ分析の手法です。
ABC分析とは?3つのランクに分ける具体的な分析の例
では、ABC分析では具体的にどのようにランク分けを行い、
そこから各ランクに対してどのような手法を行っていくのか、
1つの具体的な例を紹介していきます。
たとえば、商品の売り上げについて、
売上高を基準に、
Aランク(売れ筋商品)、Bランク(見せ筋商品)、Cランク(死に筋商品)と
3つのランクに商品を分類していきます。
このように、ABC分析でデータ分けを行うことによって
Aランク(売れ筋商品)、Bランク(見せ筋商品)、Cランク(死に筋商品)
それぞれの商品に対して取るべき
最適な施策、手法が見えてきます。
売れ筋商品のAランクなら常に品切れを起こさないように
積極的な仕入れを行うことによって販売数を伸ばし、
死に筋商品であるCランクの商品については
不良在庫、廃棄とならないように仕入れの数を減らしていきます。
このような商品の売り上げに関するABC分析を行う場合には
ランク分けの際の基準が非常に重要になってきます。
売れた数量だけ考えたり、商品の単価だけを考えるのではなく、
数量と単価を掛け合わせた売上でABC分析を行っていきます。
この基準を設けることによって、
単価が高くても動きがほとんどない商品よりも
たとえ単価が低くても売れる数量が大きい商品の方が
重要であると判断することができるのです。
また、今回のABC分析の場合、
AランクをAAA、AA、Aと、さらに細分化したランクを作ったり、
Cランク以下にもDランク、Fランク、Eランクと
細かく重要度を分けたランキングにしていくこともできます。
ABC分析とパレートの法則、ロングテール論
ABC分析を行う場合に同時に考えられるのが
パレートの法則、そしてロングテール論という2つの考え方です。
これらがABC分析とどのような関係があるのかを
解説していきます。
ABC分析とパレートの法則
最初にABC分析とパレートの法則の関係性です。
パレートの法則とは
「商品全体における売上の8割は、全ての商品のうちの2割の品目が生み出す」
という法則です。
20:80の法則などとも呼ばれている法則です。
パレートの法則では主力、売れ筋となっている商品を
重要視する法則になりますので、
ABC分析はパレートの法則に基づいた手法ということになります。
つまり、ABC分析においてCランクに分類された商品は
在庫管理や仕入れのコストを考えた場合に
取扱を中止するべきであるという結論を出すことができます。
ABC分析とロングテール論
次に、ロングテール論とABC分析の関係です。
ロングテール論とは、
ABC分析を行った場合に、Aランク、Bランクの商品数が少なくなり、
Cランクに分類される商品数が多くなっている状態のことです。
縦軸に売上高を取った場合に、
Cランクの商品数が多いことから、
グラフの形が長いしっぽ(ロングテール)に見えることから
ロングテール論と呼ばれるようになっています。
インターネット通販などの販売形態の場合、
在庫を管理するためのコストが店舗販売に比べて
安くなるというメリットがあります。
また、商品数を増やしたとしても店舗への陳列ではなく、
ユーザーの検索によって商品が探されるので、
Cランク以降の商品を取り扱うこともできるようになりました。
一つ一つの商品の売上高が少なくても
全ての商品数を合わせた場合に、結果的に大きな売上高になるので、
ロングテール論による影響も非常に大きくなってきているのです。
ABC分析におけるCランク以下の商品でも扱っている、
ロングテール論を重視している有名な例としては
インターネット通販大手のAmazon(アマゾン)があります。
まとめ:ABC分析は店舗販売においては非常に優れた管理の手法
取り扱っている商品を売上高を生み出す重要度で分類する
ABC分析による管理の手法は店舗販売という形態においては
非常に優れた管理手法と考えることができます。
しかし、現在ではインターネット通販などの形態もあり、
検索機能や在庫管理コストの減少など、
Cグループなど、重要度の低いと判断できる商品に対しての
考え方も大きく変わってきています。
店舗販売の場合にはABC分析を使った
売れ筋商品に特化した管理が有効になりますが、
インターネット通販の場合はABC分析だけでなく、
ロングテール論に関しても意識していくことで
総合的に収益を上げていくことにつながるはずです。
インターネットが発展した現代では
ABC分析だけでは不十分になってしまったことを
しっかりと意識していく必要性があるのです。
以上が、マーケティングの用語、ABC分析の意味になります。
ぜひ、参考にしてください。
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