ゲーム理論とは?ゲーム理論の意味を丁寧に解説

マーケティングの用語、ゲーム理論の意味を解説していきます。

ゲーム理論は、核兵器開発者の一人として知られる
物理学者のフォン・ノイマンが趣味のチェスをしている最中に
発送したと言われている数学の理論です。

1944年に経済学者モルゲンシュテルンの協力を得て完成させた
「ゲームの理論と経済行動」によって
多くの学術分野に衝撃を与えたと言われています。

多くの経済学、社会学、経営学、そして、さらには進化論へと、
幅広い分野に影響を及ぼした理論です。

囚人のジレンマを代表に、
数多くの定理やノーベル賞受賞者を生み出したとされています。

ゲーム理論の内容としては、
ゲームを行う際に、相手の手の打ち方を読むことによって
できる限り自分の得点を高くして、
失点を少なくするにはどうすればいいのかを求める数学理論です。

その理論を経済学や企業の経営に応用しているのが
現在使われているゲーム理論なのです。

ゲーム理論を有名にした「囚人のジレンマ」

ゲーム理論が用いられる理論の中でも有名なものに
「囚人のジレンマ」というものがあります。

それぞれの人間が、互いに望ましい協力行為がありながら、
会話の不足や拘束力が欠如するために、
互いにとって望ましくない裏切り行為をとる、という話です。

たとえば、AとB2人の犯罪容疑者がいるとします。

2人とも、ある犯罪に関連した別件の容疑で警察に逮捕されましたが、
罪を犯したという可能性は高いものの、決定的な証拠がなく、
2人とも別々の部屋で尋問を受けている状態です。

この状況でAとBの選択肢は2つ、
自白するか自白しないか、このどちらかの選択になります。

2人とも自白すれば、共に懲役5年の刑が、
2人とも自白しなければ、共に懲役2年の刑が予想されています。

また、片方だけが自白した場合、自白した方は情状酌量によって無罪、
しかし、自白しなかった方は懲役30年になってしまいます。

この場合、AにとってもBにとっても自白することが
無罪になる確率があるので、刑を最も軽くできる選択となるのですが、
両方が自白してしまえば、自白しなかった場合よりも思い
懲役5年の刑になってしまいます。

それぞれ別々に尋問をされているので、
会話ができないことによってお互いの状況が分からず、
互いにとって最も利益になる選択ではなく、
裏切りを含んだ選択の可能性があるのです。

ゲーム理論を利用した第二次世界大戦「ビスマルク海戦」の分析

また、ゲーム理論を利用した分析の対象として有名な事例に
第二次世界大戦中の旧日本軍と連合国軍の戦い、
「ビスマルク海戦」があります。

ビスマルク海戦を簡単に解説すると、
旧日本軍は島の東側から西側まで物資を運送する必要がありました。

この時、島の南側を通過した場合、晴天であることから
連合国軍から発見されやすく、また、爆撃も長時間に及びます。

しかし、島の北側は雨天であったので、
連合国軍から発見されづらく、また、万が一発見されても
爆撃は短時間になるという判断から旧日本軍は北側を選びました。

しかし、実際には連合国軍も同じ分析をしていたために、
偵察機を北側のルートへ向かわせる作戦をとりました。

その結果、旧日本軍の輸送船は連合国軍からの攻撃を受け、
西側に物資を運ぶ前に沈没させられてしまったのです。

この旧日本軍の判断は間違っていたのかどうか、
ゲーム理論の分析の対象となるのです。

今回の事例の場合、ゲーム理論では、
旧日本軍が北側ルートを進行した場合と南側ルートを進行した場合、
また、連合国軍が北側ルートを偵察した場合と南側のルートを偵察した場合、
それぞれを組み合わせて、以下の4つのパターンに分析することができます。

ゲーム理論を利用した第二次世界大戦「ビスマルク海戦」の分析パターン1
旧日本軍、連合国軍、ともに北側のルートを選択した場合です。
この場合、旧日本軍の輸送船が出発後2日後に発見され、
爆撃は2日間となります。

ゲーム理論を利用した第二次世界大戦「ビスマルク海戦」の分析パターン2
旧日本軍が北側のルートを選択、連合国軍が南側を偵察した場合です。
この場合、輸送船出発3日後に発見され、爆撃を受けるのは1日のみです。

ゲーム理論を利用した第二次世界大戦「ビスマルク海戦」の分析パターン3
次に、旧日本軍が南側のルートを選択、連合軍が北側を偵察した場合です。
これはパターン1と同様に、出発後2日で発見され、爆撃は2日感です。

ゲーム理論を利用した第二次世界大戦「ビスマルク海戦」の分析パターン4
旧日本軍、連合国軍、ともに南側を選択した場合です。
この場合、出発1日後に発見、3日間の爆撃を受けることになります。

4つの分析を見ると、連合国軍が北側を偵察した場合、
旧日本軍がどちらのルートを選択しても
2日後に発見、爆撃も2日間受けることになります。

その一方、連合国軍が南側を偵察した場合、
旧日本軍は北側のルートを選択すれば最も爆撃を受ける日数が少なく、
また、南側のルートを選択すれば、最も長期間の爆撃を受けることになります。

このような分析をしてみた場合、
旧日本軍の北側のルートを選択した判断は間違っていたとは言い切れないのです。

このように、2人以上のプレーヤーが存在する状況では、
ゲーム理論を利用した分析が必要になってくるのです。

以上がゲーム理論の意味になります。

ぜひ、参考にしてください。

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