マーケティングの用語、ブランドエクイティの意味を解説していきます。
ブランドエクイティとは、
ブランドが有する経済的価値、またはブランドの資産価値を指す
マーケティングの用語です。
ブランドマーケティングに費やしてきた過去の投資の結果、
製品に付与される付加価値、また、
ブランドの資産価値のことをブランドエクイティといいます。
アメリカの経営学者、コンサルタントである
デヴィッド・A・アーカーによると、ブランドエクイティは、
「ブランドの名前やシンボルと結びついたブランドの資産(あるいは負債)の集合であり、製品やサービスの価値を増大させるもの」
と定義されます。
そして、ブランドエクイティは、
ブランド認知、知覚品質、ブランド連想(ブランド・イメージ)、
ブランド・ロイヤリティ、
これら4つの尺度にグループ分けすることができるとされています。
ブランドエクイティは無形のブランドを有形資産と同様に評価するための概念
ブランドエクイティはブランドが有する経済的な価値、
つまり、ブランドの資産価値のことを指すマーケティングの用語です。
ブランドエクイティの考え方によって、
無形であるブランドの価値を「ヒト」「モノ」など
有形の資産と同じように評価していこうという概念になります。
ブランド・ロイヤリティ(ブランドに対する愛着心や信頼度)
ブランド認知(ブランドの知名度)
知覚品質(他ブランドに対する優位性)
ブランド連想(ブランドに結びついたイメージ)
その他の知的所有権のある無形資産(特許、商標、取引関係など)
これら4つの要素がブランドエクイティを構成していると
デヴィッド・A・アーカーは語っています。
ブランドエクイティの重要性
私たちは毎日大量の情報、商品やサービスに囲まれながら生活をしています。
実際にその中から手にとって購入したり、利用する商品やサービスは
限られたものになりますが、
そのための判断の材料として大きな影響を持つのが「ブランド」であり、
「ブランドエクイティ」なのです。
消費者が店頭において何か物を選ぶ場合、
もしくは何かのサービスの利用を決定する判断の時には、
「見たことがある」「知っている」「親しみを感じる」
これらのもの、サービスを選択する傾向があります。
「習慣で買う」の作り方(ニール・マーティン著)によると
消費者の行動の大半は選択を無意識的に行う「習慣脳」に支配されていて、
自分でもなぜこれを買ったのか分からないという状態にあるといいます。
「スーパーマーケットではいつも同じルートで買い物をしている」
「お茶を買うとなるといつも同じ銘柄のお茶を買っている」
このような経験は誰しもあるのではないでしょうか?
このように、消費者から自社の商品やサービスを選択してもらうために、
リピートしてもらうために必要なのが、
消費者の「習慣」の中に入ることであり、ブランドがその1つの重要な例なのです。
つまり、ブランドエクイティを高めるということは
他社との競争で優位に立てるだけでなく、
顧客にとっての「習慣」になることによって安心感につながり、
満足度やロイヤリティの向上にも期待ができるのです。
企業のマーケティング活動において、いかにブランドを創りマネジメントをするのか、
ブランドエクイティの考え方において、
ブランドの価値を高めていくのが重要になるのです。
ソーシャルメディアを利用してブランドエクイティを高めていく
インターネットやウェブメディアが発展した現代では
ソーシャルメディアを利用してブランディングを行い、
ブランドエクイティを高めようとする企業が多く存在します。
「企業としての姿勢」をソーシャルメディアを通じて
消費者と直接つながることによって
日々にコミュニケーションで表現することができるので、
ブランドエクイティを高める方法として注目されているのです。
しかし、その一方で、
ソーシャルメディアの利用には「マイナス面」を隠せず、
消費者に伝わってしまうことも、ブランドエクイティを創る上で
認識していくことが必要になります。
不誠実な対応や一貫性のない態度が見られれば、
ブランディングどころかブランドエクイティの低下を招くことになります。
新しいブランドのイメージを創るのではなく、
「常日頃からの企業としての姿勢」
これをソーシャルメディアを通じてどう伝えていくのか、
また、消費者からどのように受け取られ、伝わっていくのか、
ブランドエクイティをソーシャルメディアで構築する上で
非常に重要な要素になっていきます。
つまり、ブランドエクイティは
企業が一方的に創り上げることができるものではないということです。
消費者と一緒に、または消費者によってブランドエクイティが創られていく、
このように考えてブランドエクイティの向上に取り組むことが
企業のマーケティング、ブランディングに求められるのではないでしょうか。
以上が、マーケティングの用語、ブランドエクイティの意味になります。
ぜひ、参考にしてください。
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