マーケティングの用語、コモディティ化の意味を解説していきます。
コモディティ化とは、製品やサービスの普及が進んだ後に
価格や付加価値を工夫しないと製品が売れなくなる現象です。
ある製品カテゴリーにおいて普及が進み、
技術革新が落ち着いた段階で
メーカー間での差別化の要因が少なくなります。
その結果、価格や付加価値の工夫がないと
製品やサービスが売れなくなってしまいます。
これがコモディティ化が起こる原因となるのです。
コモディティ化の「コモディティ(Commodity)」の意味とは?
コモディティは、元々は「日用品」や「必需品」などの
食べ物やエネルギーなど、
いわゆる「商品」を指す言葉でした。
また、ビジネス用語で使われる場合には
「一般化」という意味で使われることもあります。
そのため、製品やサービスが普及し、
技術革新が落ち着いてきて一般化することを
コモディティ化という言葉で表していると考えることができます。
コモディティ化が起こった場合、製品の特徴が薄れて消費者の選択基準が限られる
市場に参入したときに高付加価値を持っていた製品やサービスだとしても、
その技術革新が落ち着くことによって
製品やサービスの市場価値が低下し、
一般的な商品になることがコモディティ化です。
市場への参入時は大きな技術革新によって
高付加価値があった商品だとしても、
その技術革新が落ち着けば類似商品が増えていき、
他との差別化が難しい一般的な製品やサービスになってしまうのです。
高付加価値は差別化戦略の一つであり、
機能、品質、ブランド力において
高い付加価値を付け、差別化を行うことができますが、
コモディティ化が起こった場合にはその特徴は薄れてしまいます。
そのため、コモディティ化が起こってしまった場合、
消費者にとって製品やサービスを選択する基準が
市場価格や製品の量などに絞られてしまいます。
つまり、コモディティ化が起こってしまった製品やサービスの市場では
価格競争や大量生産による差別化しかできなくなってしまうのです。
現在はあらゆる産業においてコモディティ化が起こっている時代
現在はあらゆる産業において
製品やサービスのコモディティ化が起こっていると言われています。
製品やサービスがコモディティ化してしまった場合、
一定の需要を望むことはできますが、
付加価値による差別化ができていないという状況が生まれてしまいます。
そのため、コモディティ化が起こると
消費者の購買行動における
主な比較対象が市場価格となってしまうために
低価格競争が起こってしまうことになります。
コモディティ化によって企業は
薄利多売のビジネスを強いられることになり、
低い利益率でビジネスを展開していくことになってしまいます。
現在では、そんなコモディティ化が
あらゆる業界、あらゆる産業で頻繁に起こってしまっているのです。
コモディティ化の時代において消費者から選択されるための戦略
では、企業がコモディティ化を抜けだし、
低価格競争をせずとも消費者から
製品やサービスを選択されるためにはどうしたらいいのでしょうか?
コモディティ化を抜け出すための方法が、
ブランド戦略、コミュニケーション戦略の強化です。
ブランド戦略によって、
ただ一つのブランドを築くことができれば、
消費者や顧客は比較せずともブランドによって
製品やサービスを選択することになるので、
コモディティ化を抜け出すことにつながっていきます。
そして、コモディティ化を抜け出す
ブランディングのために重要なのが、
マーケティングにおける
コミュニケーション戦略です。
ひとりひとりの消費者・顧客との
コミュニケーションを大切にすることによって、
信頼関係やロイヤリティが生まれ、
ブランディングを行っていくことができるのです。
その結果、たとえ
競合の製品やサービスに対する付加価値がなくなっても
低価格競争に陥ることなく、
消費者・顧客から製品やサービスを選択したもらえることになり
コモディティ化から抜け出すことにつながっていくのです。
まとめ:コモディティ化を抜け出すためにも製品より顧客に目を向けること
技術革新が落ち着いた現在では、
多くの製品・サービスの市場において
付加価値による差別化が難しくなっています。
つまり、ほとんどの市場において
多くの製品やサービスがコモディティ化している状態なのです。
また、たとえ高付加価値な製品の開発に成功したとしても
すぐに競合からも同じ付加価値を持った製品やサービスが出てきて
コモディティ化することになってしまいます。
そのため、現在では、コモディティ化を抜けだし、
ビジネスを成功させるためには
製品の付加価値のみに目を向けるのではなく、
それと同時に「顧客」を中心に考える
顧客主導のマーケティングが必要になってきます。
コモディティ化を抜け出すためにはどうすればいいのか、
それが今後の企業における課題となっていくでしょう。
以上が、マーケティングの用語、コモディティ化の意味になります。
ぜひ、参考にしてください。
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