ランチェスターの法則とは?ランチェスターの法則の意味を丁寧に解説

マーケティングの用語、ランチェスターの法則の意味を解説していきます。

ランチェスターの法則とは、
イギリスの航空工学エンジニアのF.W.ランチェスターが
第一次世界大戦の空中戦のデータを解析し、
それをもとに提案した理論です。

ランチェスターの法則には2つの基本法則と呼ばれるものがあり
ひとつが「一騎打ちの法則」、
もう一つが「確率戦闘の法則」です。

「確率戦闘の法則」は「集中効果の法則」と
呼ばれることもある法則です。

もともとランチェスターの法則は
戦争の理論でしたが、
現在ではマーケティング戦略でも使われています。

もともとは戦争理論だったランチェスターの法則

ランチェスターの法則は第一次世界大戦のデータを
イギリスの航空科学エンジニアF.W.ランチェスターが解析し
導き出された戦争理論でした。

しかし、現在では、ランチェスターの法則の2つの基本法則
「一騎打ちの法則」「確率戦闘の法則(集中効果の法則)」は
マーケティング戦略に応用される事例が多くなってきています。

マーケティング戦略にランチェスターの法則を応用する場合、
市場を戦場として考えることで
「弱者の戦略」「強者の戦略」この2つに分けて考えます。

ランチェスターの法則における弱者の戦略とは
差別化の戦略によって強者が目を向けないような
ニッチ市場や細分化された市場において
独自のブランドを築いていく戦略です。

その一方で、ランチェスターの法則の強者の戦略とは
弱者の差別化を即座に踏襲する戦略で、
弱者には不可能な大きな経営資源の投入によって
一気に市場を支配してしまうことを指した戦略になります。

では、ランチェスターの法則をマーケティングに応用するための
弱者の戦略、強者の戦略を詳しく解説していきます。

ランチェスターの法則から生み出された弱者の戦略・強者の戦略

ランチェスターの法則から2つの戦略、
弱者の戦略、強者の戦略が生み出されました。

弱者の戦略とは、
人材や資金など経営資源において不利になっている弱者のための戦略、
強者の戦略は
弱者に対して経営資源において優位に立っている強者のための戦略になります。

ランチェスターの法則:弱者の戦略

ランチェスターの法則における弱者の戦略の基本は
「差別化戦略」になります。

商品をはじめ、会社、情報、経営資源、サービスの質、
それらにおける独自性、優位性が差別化となります。

ランチェスターの法則における弱者の戦略では
「一点集中主義」が重要な戦略となります。

マーケティングにおける戦力である経営資源などで
量的に優位性を築くためにも
自社の経営資源を均等に配分するのではなく、
重点配分していくことが重要になるのです。

つまり、強者が目を向けない部分、
非常に細分化された市場やニッチな市場に
経営資源を重点的に配分することによって
そこで優位性を築いていくための戦略になるのです。

他にランチェスターの法則における弱者の戦略には、

■局地戦(地域や領域の限定)

■接近戦(顧客に接近する販売経路、営業活動、顧客志向)

■一騎討ち戦(競合数の少ない競争)

■陽動戦(奇襲戦法)

があり、
これらはランチェスターの法則の中でも
「一騎打ちの法則」による戦略となります。

ランチェスターの法則:強者の戦略

弱者の戦略が生み出された一方で
ランチェスターの法則における第二法則、
つまり確率戦闘の法則(集中効果の法則)を利用した戦略によって
高い戦力を持つ企業が圧勝するための戦略、強者の戦略が考えられました。

強者の戦略の基本を「ミート戦略」といいます。

弱者の戦略である差別化を封じ込めるという意味で、
同じ市場において同質化競争に持ち込むことによって武器効率を同じにし
結果的に兵力数において優位な強者が勝つ戦略です。

このような戦略では、模倣や追随、二番手作戦となるので
「ミート」と呼ばれるようになっています。

他の第二法則的な強者の戦略としては、

■誘導戦(先手必勝のおびき出し作戦、新たな需要の創造)

■確率戦(競合数の多い競争を重視、フルラインの品揃え、自社系列内競合など自社の力を重複化させる)

■広域戦(地域や領域を限定せず拡大していく)

■遠隔戦(間接販売会社の力を活用、広告などの情報発信で顧客に接近する前に勝敗をつける)

■総合主義(総合力で戦うこと)

これらが強者の戦略として存在します。

ランチェスターの法則で取るべき戦略は弱者と強者で全く違う

では、ランチェスターの法則において、
弱者、強者の定義はどのようになるのでしょうか?

ランチェスターの法則における強者とは市場シェア1位の企業のことで
それ以外、2位以下の企業は全てが弱者となります。

弱者と強者では取るべき戦略が全く違いますので、
ランチェスターの法則をマーケティングに応用する場合には
商品・地域・販売経路・客層・顧客など
自社の競合局面ごとに明確に分析をしていく必要があります。

以上が、マーケティングの用語、ランチェスターの法則の意味になります。

ぜひ、参考にしてください。

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