キャズム理論とは?キャズム理論の意味を丁寧に解説

マーケティングの用語、キャズム理論の意味を解説していきます。

キャズム理論とは、ハイテク商品が初期市場で成功し、市場全体へと広がっていき、
メインストリーム市場で成功するまでの間に深い溝(キャズム)が存在し、
さまざまな制約条件に負けてそのキャズムに落ちたまま消えていくという警告、
そして、そのキャズムを乗り越えるためにどのようなマーケティングの
アプローチが必要なのか、ということを示すマーケティングの理論です。

従来のイノベーター理論に存在した「普及率16%の理論」と呼ばれる
「クリティカルマス」を否定したマーケティング理論のことになります。

マーケティングコンサルタントのジェフリー・A・ムーアが19991年に
自身の著書、「Crossing the chasm」で提唱しました。

キャズム理論を語る上で必要なイノベーター理論

キャズム理論を知る上では、
まずはイノベーター理論を知っておく必要があります。

イノベーター理論はエベレット・M・ロジャーズが提唱した理論で、
消費者を新商品の購入までのスピードの速さによって、

「イノベーター」「アーリーアダプター」
「アーリーマジョリティ」「レイトマジョリティ」「ラガード」

これら5種類のグループに分類する理論になります。

「イノベーター」は革新者とも呼ばれる、
新しい物やサービス積極的に購入して試す人々を示したグループです。
市場全体の2.5%を構成していると言われています。

「アーリーアダプター」はオピニオンリーダーとも呼ばれるグループで
イノベーターの次に新商品や新サービスの購入が早いと言われます。
流行に敏感で、自ら情報収集、判断を行うことから、
オピニオンリーダーとも呼ばれるようになりました。
市場全体の13.5%を構成しています。

次に「アーリーマジョリティー」です。
平均からすれば新商品、新サービスの採用までのスピードは
どちらかと言えば早い方ですが、
イノベーターやアーリーアダプターに比較すると慎重な行動を取ります。
市場全体の34.0%を占めていて、次のレイトマジョリティーとともに
全体の半数以上を占めるボリュームゾーンになります。

「レイトマジョリティー」も「アーリーマジョリティー」と同じく
市場全体の34.0%を占めるボリュームゾーンですが、
アーリーマジョリティーよりも懐疑的な部分があります。
周りの人のほとんどが新商品や新サービスの導入をしたのを
確認してからそれと同じ選択をする傾向があります。

最後に「ラガード」です。
非常に保守的なグループで、これまでのグループと違い、
たとえ周りの人が採用した物でも、静観していることが多いです。
ブームから一般化した商品だとしても、最後まで採用せず、
自分の考えを貫く人が多い保守的な、伝統を重んじるグループです。
市場全体の16.0%を構成していると言われています。

キャズム理論が否定する普及率16%の理論(クリティカルマス)

従来のイノベーター理論では、キャズム理論は存在せず、
「普及率16%の理論(クリティカルマス)」という理論が存在するのみでした。

普及率16%の理論(クリティカルマス)とは、
イノベーターとアーリーマジョリティーを合わせた
市場全体の16%に新商品や新サービスが普及するかどうかが
新商品、新サービスが成功するかどうかの別れ目だという理論です。

オピニオンリーダーと呼ばれるアーリーアダプターこそが
他の消費者グループにも大きな影響力を及ぼすため、
イノベーターに普及し、アーリーアダプターに普及するかどうか、
それこそが商品普及のカギだとする理論が普及率16%の理論(クリティカルマス)です。

アーリーアダプターとアーリーマジョリティーの間の大きな溝(キャズム)を主張するキャズム理論

しかし、マーケティングコンサルタントのジェフリー・A・ムーアは
特にハイテク産業においては普及率16%の理論(クリティカルマス)では
商品が普及するとは限らないと主張しました。

この時の理論がキャズム理論なのです。

普及率16%の理論(クリティカルマス)では
イノベーターを超えてアーリーアダプターまで商品が普及すれば
オピニオンリーダーとも呼ばれるアーリーアダプターの影響力によって
商品は市場に普及すると言われていました。

しかし、キャズム理論では、
アーリーアダプターとアーリーマジョリティーの間に
大きく深い溝(キャズム)が存在すると提唱されていて、
特にハイテク産業ではそのキャズムを超えられずに、
一般化することがなく消えていく商品が多いと言われています。

スマートフォンなどのハイテク産業、
他にも、インターネットを使ったSNSなど、IT産業においては、
キャズム理論におけるキャズムを超えて、
市場の大多数、アーリーマジョリティーまで普及してはじめて
新商品が市場に普及したと言うことができるのではないでしょうか。

以上が、マーケティングの用語、キャズム理論の意味になります。

ぜひ、参考にしてください。

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