ホールプロダクトとは?ホールプロダクトの意味を丁寧に解説

マーケティングの用語、ホールプロダクトの意味を解説していきます。

ホールプロダクトは1960年代にセオドア・レビット博士が提唱した
マーケティング戦略のモデルです。

ホールプロダクトでは、
消費者や顧客が期待している機能により製品を近づけるよう、
自社製品の補助製品・補助サービスを段階的に揃えていきます。

ホールプロダクトは日本ではあまり馴染みのない
マーケティングの戦略ですが、
ハイテク製品のマーケティングを中心として
戦略のコアな部分になる重要な概念になっています。

企業が開発する製品・サービスと顧客が求める機能との間には常に乖離があるので、
自社のコアとなる製品を中心として、その周囲に様々な機能を持った
補助製品や補助サービスを段階的に配置していくことによって
顧客満足度を高めていくことができます。

ホールプロダクトの4つのプロセス

セオドア・レビット博士は
ホールプロダクトは4つのプロセスがあると解説しています。

1つ目のプロセスが、企業が最初に発表する「コアプロダクト」です。

2つ目のプロセスが、消費者・顧客が製品の購入時に期待する機能を持った「期待プロダクト」。

3つ目が顧客の利便性を高めるための付随的な製品やサービスの「拡張プロダクト」。

4つ目が、「拡張プロダクト」が揃っていて、顧客が製品を最大限に活用できる「理想プロダクト」

これら4つのプロセスでホールプロダクトは展開されます。

それれでは、これら4つのプロセスとなる製品、
コアプロダクト、期待プロダクト、拡張プロダクト、理想プロダクト
これらの詳しい意味を1つずつ解説していきます。

ホールプロダクトの4つのプロセス1つ目:コアプロダクト

企業が最初に出荷する製品そのもの、
つまり、ホールプロダクトの戦略において、
企業が一番最初に出荷する製品そのものになります。

ホールプロダクトの4つのプロセス2つ目:期待プロダクト

消費者・顧客が製品を購入する際に、「こうであるはず」「こんな機能が欲しい」と
期待している製品や機能です。

消費者や顧客が製品を購入する目的、ニーズを「最低限」満足させるために
必要な製品やサービスになります。

パソコンで言うならば、Windows OSやmacOSなどの基本となるソフト、
分かりやすい操作マニュアルなど、「あって当然」と顧客が思う
製品やサービスのことになります。

家電製品の場合、サポートセンターも
ホールプロダクトの「期待プロダクト」に該当します。

他にも、自動車を例に出す場合には
エアコンやカーラジオが期待プロダクトになります。

一昔前ならばエアコン別売りの自動車もあったかもしれませんが、
現在では自動車のエアコンは、消費者、顧客にとっては
「ついていて当たり前」なのです。

ホールプロダクトの4つのプロセス3つ目:拡張プロダクト

豊富な補助製品、保管サービスによって
コアプロダクトの機能を拡張した形の製品が拡張プロダクトです。

消費者や顧客がその製品を購入した目的を「最大限」満たす
製品やサービスがホールプロダクトにおける拡張プロダクトとなります。

期待プロダクトの例に続き、パソコンを例に出すとすれば、
Microsoft Officeなど、顧客が必ず利用するであろうソフトウェアや
データのバックアップ用のハードディスクが該当します。

他にも、携帯電話ならば高解像度のデジカメ機能、
高速なインターネット接続機能、電子マネー機能があります。

自動車の場合なら、GPSやワンセグ機能付きのカーナビ、
iPodを接続するための端子やケーブルなどになります。

ホールプロダクトの4つのプロセス4つ目:理想プロダクト

拡張プロダクトにさらに多くの補助製品や保管サービスを揃え、
消費者や顧客がその製品を活用することのできる上限、
それを実現する製品のことをセオドア・レビット博士は
ホールプロダクト戦略における最終形、理想プロダクトと名付けました。

実際には理想プロダクトにまで達した製品ラインはほとんど無いと考えられ、
逆に理想プロダクトにまで到達することができれば、
市場において圧倒的なポジションを築くことができると考えられています。

ホールプロダクトのまとめ

日本ではあまり浸透していない概念のホールプロダクトですが、
特にハイテク製品などの分野においては非常に重要になる戦略です。

実際にAppleをはじめ、現代で市場を制している企業は
ホールプロダクトを戦略的に構築しています。

特に、ホールプロダクトを構築していく上で
どこまでを自社で独自に揃え、何を連携している企業に以来するのか、
この切り分けも非常に重要になってくる戦略の一つになります。

消費者や顧客は自社の製品に何を求めているのか、
どのような補助製品・補助サービスを用意していくべきなのか、
それを考えていくことが非常に重要になっていきます。

以上が、マーケティングの用語、ホールプロダクトの意味になります。

ぜひ、参考にしてください。

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